ふりむいてよキャプテン

「そ、そうなんだ......。
まあ小野くんが思ったことしたらいいんじゃないかな。
みんなだってなんとかしようって気持ちはあると思うし、私だってできることがあれば協力するし」


頼りないキャプテンでも、やっぱり嫌いになれないんだよね。

だって、小野くんは真面目すぎるぐらい真面目で、部のことを真剣に考えているからこそ、こんなに悩むんだろうし。

どうにかする方法は考えてこれなかったとしても、だ。


簡単にさらっと解決する頼れるキャプテンよりも、いつも一生懸命で優しいキャプテンの小野くんがいい。


「解決はできてないけど、私はやっぱり小野くんがキャプテンで良かったと思うよ。
小野くんいつもみんなのこと考えてくれるし、優しいよね。前もマネージャーの仕事のことで、さほちゃんに注意してくれたんだよね?私お礼言えてなかったけど、ありがとう。あのときすごく嬉しかったよ」


黙りこんでいる小野くんの顔を見ながら、そう続ける。

あのとき誰も、にっしーでさえ、私の辛かった気持ちに気づいてくれなかったのに......。

そんなことを言いそうにもないのに、陰で注意してくれたことを思い出して、自然と笑顔になる。


「ああ......うん、......ありがとう」


小野くんはちょっと照れたようにうつむいて、私の手を握る力を強くした。