穴があったら入りたいような気持ちになりながら、ごめんと手をひこうとすると。

なぜかそれは、しっかりと握り返された。


......え?

私が何回も果敢にチャレンジして、よっぽど手がつなぎたい人みたいになってたから、つないでくれたのかな......。いやいや......。


びっくりして、小野くんの顔を見ても、こちらを見もしないで、映画に集中している。なんなんだ。


あ、映画に集中しすぎて手をつないでいることに気づいてないとか?って、そんな人いる?

うーん、小野くんだったらありえるかも......。
私の手を椅子と間違えてるとか。


どっちにしても、そんな深い意味はないんだろうけど、妙に汗をかいてきた。

冬のショッピングモールとかって暖房ききすぎだよね?






それからはもう正直映画どころではなくて、内容が全く頭に入ってこなかった。