もっと早く知りたかった......。

じゃあ私はあのとき何のために引いたんだ、ってにっしーみたいなことを思っちゃったよ。今さらだけど。


そうだよ、今さらだよ。そんなこと、今さら知ったって......。私はもう、小野くんへの気持ちに区切りをつけたし。

それに、結局期待したところで、またばっきばきに心折られる、いつもの残念パターンな気がしなくもない。


「結局行くの?行かないの?どっち?」


テレビから私にと向けられた、鉄仮面の鋭い視線。


「......いくっ!いきます!」


いつもの残念パターンに終わることは覚悟していたけど、カラオケボックスの中、手を上げて、それに飛びついた。

いくら一度はあきらめたとはいっても、叶わなくてもずっと大好きだったひとなんだ。
ここでいかなきゃ嘘でしょう。


一瞬にっしーのことが頭をよぎったけど、もうにっしーとは終わったんだ。

にっしーが押してくる時はいまいち私がその気になれないし、私が盛り上がってる時はにっしーが引いてっちゃうし。

にっしーとはつくづくタイミングが合わない、きっとにっしーとは結ばれない運命なんだ。


まあ......、小野くんとも、結ばれない運命な気がしなくもない、けど。

何度も何度も心折られてるのに、結局またここに戻ってきちゃった。


いったい私は何度このパターンを繰り返せば気がすむのか。

もう私いい加減このパターンやめて、小野くんでもにっしーでもない別の人探した方がいい気がする。

それなのに、また同じことを繰り返してしまう。