ふりむいてよキャプテン

気まずい......。

ゆっちはあきらめたなら、友達として遊べるはずとか言ってたけど、よく考えたら、私と小野くんってもともと友達でもなかった。

ただ部活が一緒で、私が片思いしてたってだけで。


「そうなんだ......。
じゃ、じゃあさー、明日とか何してるの?」

「明日?明日は部活終わった後は、特に何もないけど......。見たい映画あるから、それ見にいくかも」


苦し紛れにふった話題は、なんとかとっかかりが作れたみたいで、これ以上無言にならないようそれに食いつく。


「そうなんだね。見たい映画ってなに?
誰か誘うの?」

「新しく始まった野球のやつ。
誘う人はまだ決まってないけど、いなかったらひとりでいくよ」

「野球のって、幼なじみの子がマネージャーになるやつだよね?それ私も見たかったんだよね。
私もいこうかな」


幼なじみものの野球漫画が映画化されたやつが明日から、新しく上映される。


私もひそかに見たいなと思ってたやつで、便乗していこうかなと思ったけど。

よく考えたら、明日はゆっちたちは二人でデートするって言ってたし、他に誘う人っていっても微妙かぁ......、
まさか二人でいくなんてのは絶対ありえないし、と心の中で思っていると。


「別にいいけど」


誘いを取り消す前に、いつものぶっきらぼうで低い声、野球部キャプテンの小野くんは、まさかの返事をした。