ふりむいてよキャプテン

雨の中部室に戻ってすぐに、にっしーはもらった背番号をカバンに突っ込むと、誰にも声をかけず傘もささずに、部室を出ていった。


......大丈夫かな、にっしー。
着替えもしないで出ていっちゃったし、荷物も置きっぱなしだから、帰ったってわけじゃなさそうだけど......。


「しかし、まさかにっしーがレギュラーから外されるとはなー」


一年生が体育館にいって、二年だけの部室。
にっしーが出ていってしばらくしてから、誰かがそんなことを言った。


「ああ.....、まあな......。
にっしーには悪いけど、仕方ないんじゃね?」

「なんで?」

「にっしーってちょっと上手いからって、調子のってるとこあるじゃん。自分はそんながんばらなくても大丈夫だと思ってんだろ」

「たしかにな。にっしーってそういうとこあるよな、たまに手抜いてんじゃないかってときあるし。先生もさー」


にっしーがいないからって好き勝手なことばかり言う部員にカッときて、何か言ってやろうとしたけれど、それは言葉にならなかった。

私より先に小野くんが立ち上がった、から。