ふりむいてよキャプテン

そのあと部室に戻っても、もちろんお昼にもってきた弁当が入るわけもなく、お腹が空いたという感覚さえなかった。


それから、二試合目のスコアはさほちゃんに任せ、お茶出しや他の雑用にひたすら徹した。

小野くんやまるちゃんのことよりも、にっしーを傷つけてしまったこと、それが一番心に重くのしかかり、取り払えないまま。





二試合目終了後。

外野のネットをはるための杭、一年生が外してくれたそれをリヤカーに積む。これを体育教官室横に戻したら、今日の仕事は全部終わりだ。


「俺持ってきますよ!伊藤さんはもう帰ったんですか?」

「ああ、うん、今日は用事があるって早目に帰ったよ」


杭を全部積み込み、ひこうとしていたリヤカーを持ってくれたミッチーにお礼を言う。


小野くん同様ミッチーとも、あれから何も変わってない。


さすがのミッチーも他の先輩の目がある学校では何もしてこれないと思うし、あのプールの時は夏だしオフだしで、テンションがおかしかっただけ。

それにミッチーは彼女募集中ってだけで、私のことが好きってわけじゃなさそうだし、たぶんミッチーとはこのまま何事もなかったかのように先輩後輩に戻るんだろうなと勝手に思ってる。