ふりむいてよキャプテン

「すべりやすくなってるから気をつけて」


間近でラブコメやってても、冷やかしもしない動じもしない、いつものぶっきらぼうで低い声が後ろからひとつ。


「......ありがとう、気をつける」


私が誰といちゃついてようが、小野くんは興味ないんだろうけどさ。......これはこれで凹む。






「あれ、にっしーひとり?さほちゃんは?」


みんなのところに戻るといっても、いつのまにかみんな散り散りになっていた。

ミッチーと二人でみんなを探していると、やっと見つけたのが、波の出るプールにいるにっしーひとり。


「......逃げてきた。ちょっとひとりになりたくて」


大きなうきわを脇に抱えて、すでに肌が赤くなっているにっしーは、完全に疲れきっている。

いったい何をそんなに疲れてるのか......。


「そうなんですか?じゃあ、邪魔しちゃ悪いので、俺たちあっちにいってます」

「まてまて。なんでそこであみを連れていく」


私の手をつないで、Uターンしようとするミッチーの手を片手でにっしーが掴んで、私たちを引き離す。


「え、だって西川先輩ひとりになりたいんですよね?」


ムッとしたにっしーの雰囲気を察知してないのか、あえて空気読まないのか、ミッチーはキョトンとしている。