なんて、自分の世界にトリップしてる場合じゃなかった。

急いで戻らないと、また高田先生に怒られる。


このままここで少し休憩、というか永遠に練習に戻りたくないところだけど、そういうわけにもいかない。

教官室を出て、グラウンドにある野球部の部室まで全速力でダッシュで戻る。


あ、ちょっと嘘ついちゃった。
本当は先生から見えないところまでは歩いて、見えるところからダッシュ。



「マネージャー、ボール渡しお願い」


「は、はい.....。佐藤先輩」



教官室から持ってきたものを高田先生に渡して部室に戻ると、また仕事を頼まれる。


えっと、次の練習メニューは守備練習だから.......。


かごいっぱいに入ったボールを台車に入れて、佐藤先輩の隣までそれを押していく。