「さほは別に筋肉にそこまで興味ないですもん。
あ!分かりましたぁ、あみ先輩は三浦くんのことがタイプなんですね?そんな推してくるなら、あみ先輩が付き合えばいいじゃないですかぁ」

「え!?確かにかっこいいとは思うけど、でも私ミッチーのことが気になるってわけじゃ......」


さほちゃんにミッチーをすすめるはすが、思わぬ方向に飛び火して、あわてて首をふる。


「分かってますよぅ、本命は小野先輩でしょ?
でも三浦くんのことも気になる感じなんですよね?
全然振り向いてくれないなら、他の人が気になるのも当然ですよ。

小野先輩ムリっぽいなら、三浦くんの方がよくないですか?筋肉ひとりじめできますよ?」


面白がってるのかなんなのか、にやりとしてミッチーを推してくるさほちゃん。

たしかにタイプはタイプなんだけど、ミッチーのことが気になってるわけじゃないんだけど......。小野くん以外に、気になってるっていうんだったら、むしろ......。


ああ、でもミッチーの筋肉ひとりじめかぁ......。

付き合ったら、抱きしめられるどころか押し倒されちゃったり?

先輩、俺もう我慢できないです。
二人の時はあみって呼んでって言ったでしょ?
あみ......、とかいって。


......ってどんなヘンタイだ私は。
うっかりリアルに妄想しちゃったよ。

あぶないあぶない、筋肉に惑わされてる場合じゃなかった。


にしても、さほちゃんがにっしーか......。
なんだか面倒なことになりそうな予感。

せっかくひとつトラブルが解決したと思ったのに先が思いやられる、とにっしーからのメモをポケットのさらに奥におしやった。