「あ、あみ先輩?
さっきの話の続きなんですけど、付き合うなら西川先輩の方がいいかもしれないです」

「へ......!?に、にっしー?なんで?
ミッチーじゃなくて?」


私のいる場所の反対側の掃除をしていたと思ったら、ふと顔を上げて、唐突ににっしーの名前を出したさほちゃん。

別に隠す必要なんてないのに、にっしーからのメモ用紙をとっさに隠してしまった。ぐちゃぐちゃに丸めて、ジャージのポケットのなかに。


「三浦くんもいいんですけどね?
西川先輩もいいかなぁって。
付き合ったら絶対大切にしてくれそうなタイプだと思いません?」

「あー、うーん......そんな感じだよね......」


そんな感じ、どころか、実際にそのにっしーと付き合ってたからよく知ってるわけなんだけど。

にっしーと付き合ったあとのことを想像してるのかうっとりとした様子のさほちゃんに、実はにっしーと付き合ってたんだ、とは今さら言い出しにくい。


......もしかして、けっこう本気な感じなの?
にっしーが本命なの?
さほちゃんが?にっしーに?