「小野くんやめるなら、にっしーはダメなの?
にっしーって、まだあみのこと......」

「にっしーはないよ、友だちだもん。
だってにっしーって、彼女ほしー!とか普通に言ってくるよ?」


運動部の目立つ男子グループと話すにっしーを見ながら言いかけたゆっちの言葉を制して、首をふる。


今年から同じクラスになったにっしーとは、別れてから四ヶ月。

いい加減にっしーだって吹っ切れてるだろうし、新しい彼女だってできてもおかしくない。


にっしーだったら、わざわざ私に執着しなくても、いくらでもにっしーと付き合いたいって女の子いそうだし......。


「んー.......、あたしはそうは思わないけど?
でもあみがそう言うのなら、そうかもね。

じゃあ、さ。トッティーはどう?
新しい恋の相手」


にっしー軍団のひとりの男子を、ゆっちは視線だけでわたしにしめす。


「トッティーって......、戸塚くん?

ないないない!絶対無理!
戸塚くんとは住む世界が違うもん」


その視線の先にいる男子をみた瞬間、首がもげそうになるくらいに大げさに首をふって見せる。