そうなんだよね。

女の子にいい格好したいとか、つないだ手がどうとかよりも、小野くんにとっては野球のほうが大事なんだ。


逆に、まるちゃんや、ちょっとでも小野くんが意識してる女の子には、小野くんはこういうことできないと思うし。

つまり、すぐに野球の話題に頭を切り替えられる私のことは完全にアウトオブ眼中というわけだ。


彼女候補として考えてもらえる以前に、後ろを、私のいる方をふりむいてさえもらえないんだもん。

しかも、王子様イケメンみたいにかっこよく女の子を助け出す、とかでなくて、とことん謎宇宙人。



ああ、それなのに。

全く私の方を見もしない謎宇宙人の小野くんに、さっきから胸のドキドキがとまらない。

もう、どうしたらいいかな......。


付き合ってなんて言わない、好きになってもらえるとも思わない。

だけど、ねえ。すこしくらいはこっちを見てよ!


変わると見せかけて、やっぱりどこまでも変わらない。

にっしーも、小野くんも。
それから、私の気持ちも......。