ふりむいてよキャプテン

にっしーもなんとか試合に間に合い、私もいつものように先生の隣に座り、一球一球スコアに記していく。


「むこうはマネージャーいないから、今日はうちがお茶だししろ。寒いから、五回と七回だけでいいぞ」


先生はプレイ中のみんなから目を離さずに、持っていたメガホンを私の机の上に置いた。


「はい、わかりました」


試合中の審判さんへのお茶だしは一塁側ベンチ、つまりホームグラウンド側の高校が出すのが基本。

でも今日は、相手チームにマネージャーがいないから、私がやらないといけないみたい。


五回の裏にすぐにお茶を出すため、五回の表が終わるとすばやくお茶の準備をする。

攻守交代の時間は短いから、モタモタしないようあらかじめ準備しておかなきゃね。


いち、に、さん、し。
これでよし、と。

主審一人、塁審三人、計四人分のお茶をプラスチックのコップに入れ、それをお盆にのせてふたをしておく。


「しまっていくぞー!」


ああ、もう始まっちゃう。

むこうのチームのキャッチャーのかけ声を聞いて、あわてて席についた。