ぼんやりしていると、向かい側の椅子に乗っていたはずのにっしーがなぜか真横にきている。

そして、無言で私の右手を握った。



「......にっしー?」



窓の外には、キレイな夕日。
どんどん小さくなっていく歩いている人たち。

そして、目の前にはじょじょに近づいてくるにっしーの顔。


何をしようとしたのか察知した私は、とっさににっしーのもう片方の手をにぎった。


拒否しようと思ったのか、受け入れようと思ったのか。
自分でもよく分からない。

ただ頭が真っ白になって、そうしていたんだ。






何の反応もできずにいるうちに、一瞬だけ唇が重なり、私のファーストキスは終っていた。