ふりむいてよキャプテン

「自分でも理由は分からないけど、俺......本当に、好きなんだ。
毎日部活で会ってるのに、部活以外でも会いたくなったし......。同じクラスのマサがうらやましかった」



にっしーは口ごもりながらだけど、まっすぐに気持ちを伝えてくれた。


まっすぐなんだ、にっしーは。
何に対しても。

野球も、......それから恋も。


ここまで想われて、嬉しくないわけじゃない。
もちろん嬉しい。でも......


「......そっか」


にっしーのまっすぐな気持ちに、そう答えるのが精一杯だった。


私は全然まっすぐじゃないから。
嬉しいと同時に、すごくすごく申し訳なかった。

特にその、小野くんがうらやましかったってあたりが、聞いていて、一瞬体が冷たくなった。


私の気持ちとは関係なしに、にっしーは本棚の方からゆっくりこちらに近づいてくる。


そして、私の方に手をのばして......


私の後ろの壁についているエアコンのリモコンをとった。


......。なんだ、いま抱きしめられるのかと思った。


気のせい......、じゃ、ないかもだけど。