「宮崎!グラウンドでは歩くな!走れ!
体育教官室から頼んだもの持ってきたのか?」


「ま、まだです......」


「何分かかってるんだ!早くしないか!」


「は、はいぃ!すみません!」



野球部監督兼体育教師の高田先生からグラウンド中に響きわたる声でどなられ、私は全速力で体育教官室へと駆け出す。



「えっと、新しいボールと、スコア表と、それから......」



運動部の顧問が多い体育教師たちが使う部屋、体育教官室で、部活に使うものを探す。



「よし、全部揃った。
......ふう、疲れたなぁ」



グラウンドから体育教官室まで三分もかからない距離を走っただけなのに、どっと疲れた。

今まで体育の授業以外ではろくに運動もしてこなかったからな。