ひとしきりざわざわしたあと、校長は話を切り上げて、産休の先生の代わりにきたらしい、新しい先生の紹介にうつった。

ヒロくんは外に出たのかな......。


「ちょっとー。なんで笑ってるの?
あみ、マネージャーなのに心配じゃないの?」

「そういうゆっちも口の端にやついてるよ?」


私の顔をのぞきこんでくるゆっちに、これと口の端をつつく。


「だってー。バターンって倒れるんだもん。
バターンって。コントみたいにバターンって」

「何回も言わないでよ、思い出しちゃう」

「なんで倒れたんだろうねー?あとでラインしてみよっと。
あ、ねぇ、それでさっきの話の続きなんだけど、好きな人って.....?」


かりにも彼女候補とマネージャーに、笑い話にされたあげくに、あっさりと他の話にうつられるヒロくんかわいそう。


「うん、小野くん」

「小野くんね。ふーん......、そっかぁ。
いいと思うよ?

で?かんじんの小野くん来てないけど、今日休み?」


隣に並んでいる男子の方をちらりと見たあと、こっちにまた視線を戻すゆっちに苦笑いを返す。


「今頃、必死に宿題でもやってるかもね」