これもナシ、これもダメ。


ゆっちとの電話をきったあと、部屋を盛大にちらかしながら1人ファッションショーを開催していた。

タンスの中を服を全部引っ張りだしたあと、全身のうつる鏡の前で、私は絶望する。


どうしよう、まともな服がいっこもない......。


高校入ってから、部活部活で、デートどころか友達ともほとんど遊んでないからなぁ。


......よく考えたら、男子と学校の外で会うの、これが初めてだし。

ヒロくんだけだったら、ジャージでもいいんだけど、にっしーと......あと、小野くんもくるから、ね。


少しくらいは可愛い格好していきたい。
けど、どうしようか.....。


ただいまの時刻、午後三時。
花火大会は明日。


......。


五分ほどどうするか考えた結果、私はもう一度ゆっちに電話した。



「ゆっちー!いまからひま?!
服選びいくの付き合ってーっ!」