王様とうさぎさん

「まあ、要するに、その日をなんとかすればいいわけですよね。

 それだけなら、協力しないでもないですよ。

 その店に総代さんが来るんですか?」

「いや、来ない。

 ただ、俺の性格を知っているので、嘘をついて断らないように、相手の女性とデートしている写真を何枚か送ってこいと言われた。

 要求のあった瞬間に、リアルタイムで。

 合成などしないように」

 どんだけ信用がないんだ、この人。

 莉王はひとつ溜息をつき、言った。

「わかりましたよ。

 じゃあ、日曜付き合いますよ。

 それで、しばらくして、別れたことにすればいいじゃないですか。

 あ、でも、私、日曜は夕方から予定があるので」

「なんの予定だ?」

「コンパです」

 沈黙があった。

「……楽しいか、コンパ」
と訊いてくる。

 彼は楽しくないようだった。