王様とうさぎさん

「その……清香さんなんですが」

 いえ、なんでもありません、と言いながら、莉王は鍵を開けた。

 ちょうど、別の部屋の住人らしき男がこちらに来たが、莉王は笑顔で、

「おはようございますー」
と挨拶していた。

 早朝、男連れでも何もやましくないようだ。

 まあ、確かにやましいことは何もしていないが。