雅人くんとお昼ごはんを食べながら、たくさん話した。

ピアノのこと、日本に帰って最初に食べたくなるもの、私のバイト先のこと、大学のこと。

そして、芳樹くんのこと。


「俺、帰国してからすぐ、芳樹に連絡したんだ。

そしたら、ゆりに誤解されてるって悩んでて、二人で飲みに行ったんだ」


それで、芳樹くんは雅人くんが帰ってること知ってたんだ。


「芳樹は、自信がないって言ってた。

ゆりの気持ちの中に、いつも俺の気配を感じるって」


芳樹くん、ごめんね。

言葉にしてなくても、わかってたんだね。


「俺がゆりを奪ってもいい?って聞いたら、雅人なら安心だって笑ってた。

芳樹は、けっこう無理してたみたいだな。

最後には、俺が初恋の相手だからな、って威張ってたけど」