優華は、原口さんと愁くんのところに行くって言ってたっけ。
愁くん、いま車がないから、原口さんが迎えに行くことになったらしい。
もうそろそろだろうな、、
あたしの部屋にある、お気に入りのかけ時計を見た。
それから、気を紛らわせるように、あたしはエントリーシートを書いたり、入社試験の勉強をしたりした。
優華と頑張っている就活。
優華は、英語が得意だから、それを活かせる仕事に就きたいと言っていた。
あたしは、まだはっきりわからない。
自分が何をしたいのか、自分には何が向いているのか、いまいちピンとこなかった。
ただ、周りに遅れないように、ひたすら就活ってものをしてみる、そんな感じだった。
気づくと、窓から夕日が差し込んでいた。
もうそんな時間か、、
ずっと机に向かっていたせいで、こわっている背中をうんと伸ばす。
ちょうどそのとき、優華からの着信。
「もしもし?ゆら?いまどこ?」
あたしが電話に出た途端、急いでいるような、焦っているような、優華のせっかちな感じ。
「どこって、家にいるけど。」
「家ね?わかった!」
それだけ聞くと、すぐに電話は切られた。
なんだろう、、?
優華、何かあったのかな?