香織が退院してから、香織にも会っていないけど、こんなに心から会いたいとは思わなかった。



ドアが開くたび、目を覚ますたび、そこに香織がいてほしいと思ったことは一度もない。



空を見上げて、香織を想うこともなかった。




俺の心にいるのは、、


いつもゆらだったんだ。


俺の心は、ゆらでいっぱいだったんだ。





事故に遭う前、記憶を無くす前に、どっちと付き合っていたか、どっちが好きだったのかはわからない。



でも、いまはゆらであってほしいと、心からそう願う。



もし、それが香織だったとしたら、俺は最低な男だけど、でもやっぱりいまはゆらが好きだ。





過去なんて関係ない。


そんな無責任なことは言えないけど、、



でも、いま一緒にいたいのは、これから先も一緒にいたいと思うのは、、



ゆらなんだ。





明日、ゆらが来てくれると信じて眠りにつこう。



ゆらに会えるという期待を胸に眠ろう。



もし来てくれなくても、そしたら今度は俺が会いに行こう。



海斗や優華ちゃんに話して、ゆらの居場所を教えてもらおう。



ゆらが毎日毎日会いに来てくれたみたいに、俺がゆらのとこに行くんだ。





ゆら、、早く会いたい。