「明日仕事終わったら携帯に連絡ください」

「へ?なんで?」私は怪訝な表情で聞き返す。

「あれ、葛城さんから聞いてなかったすか?しばらく、会社の帰りは迎えに行きます。夜道の1人歩きは控えて下さい。危険ですから」

「そんな1人でも大丈夫よ。あなたも捜査があるのに大変でしょ」

「ボディーガードも仕事のうちっす。ちゃんと連絡してくださいね。じゃないとオレが怒られますから」

そういって小鳥遊は踵を返し、帰っていった。

1人で歩けないって…。

何かとてつもない危険が迫ってるみたいじゃないか。

過保護なコウに付き合わされて小鳥遊も大変ね。

ため息をついてその後ろ姿を見送った。


その時は、自らの置かれている状況を私はよくわかっていなかった。