はー。

僕は頭を掻いて、
溜息をついた。

やられたな。
今日は完敗だ。

「ダメだよ。
そんな足じゃ帰せない。」


「きゃっ。」


小さく叫んだって許さない。


僕は、
彼女を抱き上げた。


「…。」

桜子さんは、
口をパクパクと
開けたり閉めたりした。

どうやら言葉が出てこないらしい。


「僕、見た目よりは
力あるんですよ。」

僕はそう言って
ソファへと逆戻りした。