「ちょ、やめて。
何?
機会って何?」

僕は、慌てて、
彼女に近づき、
起き上がらせようとした。

ふわっと、
清楚で清々しい香りがした…


ってそうじゃなくて!!


トリップしかけた頭をふり、
彼女の肩に手をかけた。

「幼い時から理太さまのお嫁さんになるのが私の夢でした。」

起き上がらせた彼女は、
僕をまっすぐに見た。

「そ、そんなに前から?」

彼女は、頷いて、
再び、僕を見て、口を開いた。


「お試しで結構です。
一月、私を妻にしてください。」

すがるような目に
僕の目は釘付けになった。


「お願いです。
このままでは、
諦めるにも諦め切れません。」


彼女のような美しい人に
僕が好かれるわけもない。

なのに、
僕はどうしたのだろう。


口が勝手に言ったんだ。




「い…1ヶ月だけなら…」

と。