「今の時代を
誇りに思って生きてるんだって
伝えたいです。」

桜子さんは言った。

「僕もだよ。
好きな人に好きだよ、と
伝えられる時代に生まれて、
本当に幸せだよ。」

僕も言った。


「理太さま、
大好きです。」


「僕も君が大好きだ。」


カメラは、
赤い録画ランプがついている。

彼女は、知らないまま、
最高の笑顔を
僕とカメラに向けている。


キラキラと輝く日差し。
新鮮な空気。
愛する人を
抱きしめること。
最も幸せな時代。

僕らが生きる今は、
かつて、いや未来からも
嫉妬されるほどの
輝かしい時代だ。


隣の人の手を取って、
その手を大切にできる。

飢えや戦争もしらない。


ただ、隣の人を大切にできる。


それが僕たちの唯一
未来を創る方法なんだ。



たくさんの人が行き交う中
僕たちは抱きしめ合う。


それは、奇跡にも似た
素晴らしい絵だ。







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ピピッ。

映像は、
ここで終わる。