「お祖父様、
行って参ります。」

僕と彼女は、
お祖父様に挨拶をして、
学校へと向かった。

最寄りのバス停から、
バスに乗り、電車に乗って
学校に通うようになった。
出来るだけ彼女といたいからだ。

電車の中で
カメラを取り出した。


「それは、なんですか?」

彼女が不思議そうに聞く。


「ビデオカメラだよ。
もしも、150年後、
この映像が残っていたら、
少しでも分かると思うんだ。」

僕は、言った。


「150年前、ご先祖さまたちが、
何を考えて、革命を起こしたのか。

なぜ、戦い、
何を守ろうとしたか。
どうやって生き抜いたのか。」

僕らは、
準備なしに火も起こせない。

電気が止まれば、
オートロックの部屋から
出られないかもしれない。

僕らは、無人島でも生きられないほど
非力で、か弱い。

そんな僕らは、
これから未来をつくる。

だから、
金持ちだからとか庶民だとかは、
言ってられない。

力を合わせて、
乗り越えなければいけないんだ。