メガネ殿とお嫁さま



「とりあえず、
先方もお待ちです。

よく状況は分からんが、
お前は見合いは嫌なのか?」

お父様は、
何故か冷静にそう僕に聞いた。

い、家を捨てると
僕が言ってることを
本気だと思っていない?



「断るにしても、
きちんと挨拶してお断りしなさい。
一度は見合いをすると
言ったのだから。
大体、君が任せると言ったから、
僕らは、もう結婚を前提に
先方と話を進めている。
自分の言葉に責任を持て。


武士に二言はないんだろう。」


父親は、
そう言って、僕の腕を持ち上げた。


足がもう使いものに
ならないことに
ようやく気付いた。

固まってしまって、
うまく動かせない。

膝からは血が出て、
骨が軋む。


「一晩中座っとったんか。」

お祖父様が僕に肩を貸した。



「こんなこと、
彼女を傷つけた代償の半分にも
ならないよ。」


僕は、なんとか立ち上がった。