メガネ殿とお嫁さま




「桜子です。
失礼致します。」

彼女の声に、
僕は口から心臓が
飛び出るくらい
反応した。


甘くて、
透き通った声は、
あまりに久しぶりで、
愛しくてたまらなかった。


「…。
入りなさい。」

お父様は、
桜子さんを部屋に入れた。


扉が開いて、
彼女が現れると、
ぐっと喉が痛くなった。


「お久しぶりでございます。」

彼女は、ゆっくり
確かめるように
そう言葉を発した。