「ちょっと待ってください。
僕は、結婚してませんよ。」
僕がそう、なんとか
言葉を放つ。
「これから、するんじゃ。」
祖父は、
言い切った。
僕は開いた口がふさがらない。
「彼女の名は、
綾小路 桜子(あやのこうじ さくらこ)さんじゃ。
お前と同じ高校3年生。」
お祖父様は、
にこにこ笑って、
彼女を手のひらで指した。
なんだ、その気の抜けた笑顔は!
実の孫でさえ、
そんな顔初めて見たわ!
彼女は、
静かに頭を下げた。
なんと奥ゆかしくも
美しい所作なんだ。
切羽詰まった状況なのに、
ただただ見とれてしまう。
「わが日野原家同様、
由緒正しい元武家のお姫様じゃ。
お前も綾小路の名を知らんわけじゃなかろう。」
知っているに決まってる。
散々お祖父様から聞かされていたのだから。
綾小路といえば、
日野原家とともに日本の経済界、
政界を引っ張ってきた大変由緒正しいお家柄。
分家に茶道家元、
確か皇族出身の親戚もいるとか。
日本伝統美術の向上に貢献し、
日本のトラディショナルを
一手に引き受けてきた、と
教えてもらったことがある。
武道にも長けていて、
国の密命を受けたスパイだとかいう
都市伝説を聞いたことがあり、
実は、密かに興味があった家だ。
しかし、
当主の顔までは知らなかった。
「勿体無いお言葉です。
ただ、古臭い家なだけですわ。」
彼女、桜子さんの隣におられる女性、
恐らく、母親は、
そう静かに笑った。
「こんなに立派にご成長され、
見違えましたな。
小さいころ、よく君たちは、
遊んでいたんだよ。
覚えてないかい?」
思ったよりもにこやかに笑う男性。
恐らく父親であり、
綾小路家の当主だろう。
そして、どうやら、
小さい時にお会いしているようだ。
全く心当たりがない。
「いえ…。すみません。」
僕は素直に謝った。
それにしても、
2人、いや3人とも、
とてつもない美形だ。
「む、むさ苦しい風貌で、
申し訳ないのぅ。」
お祖父様がそう呟くと、
「いいえ、むさ苦しいなんて
とんでもございません。」
なんて向こうの両親は、
笑って返した。
僕は、結婚してませんよ。」
僕がそう、なんとか
言葉を放つ。
「これから、するんじゃ。」
祖父は、
言い切った。
僕は開いた口がふさがらない。
「彼女の名は、
綾小路 桜子(あやのこうじ さくらこ)さんじゃ。
お前と同じ高校3年生。」
お祖父様は、
にこにこ笑って、
彼女を手のひらで指した。
なんだ、その気の抜けた笑顔は!
実の孫でさえ、
そんな顔初めて見たわ!
彼女は、
静かに頭を下げた。
なんと奥ゆかしくも
美しい所作なんだ。
切羽詰まった状況なのに、
ただただ見とれてしまう。
「わが日野原家同様、
由緒正しい元武家のお姫様じゃ。
お前も綾小路の名を知らんわけじゃなかろう。」
知っているに決まってる。
散々お祖父様から聞かされていたのだから。
綾小路といえば、
日野原家とともに日本の経済界、
政界を引っ張ってきた大変由緒正しいお家柄。
分家に茶道家元、
確か皇族出身の親戚もいるとか。
日本伝統美術の向上に貢献し、
日本のトラディショナルを
一手に引き受けてきた、と
教えてもらったことがある。
武道にも長けていて、
国の密命を受けたスパイだとかいう
都市伝説を聞いたことがあり、
実は、密かに興味があった家だ。
しかし、
当主の顔までは知らなかった。
「勿体無いお言葉です。
ただ、古臭い家なだけですわ。」
彼女、桜子さんの隣におられる女性、
恐らく、母親は、
そう静かに笑った。
「こんなに立派にご成長され、
見違えましたな。
小さいころ、よく君たちは、
遊んでいたんだよ。
覚えてないかい?」
思ったよりもにこやかに笑う男性。
恐らく父親であり、
綾小路家の当主だろう。
そして、どうやら、
小さい時にお会いしているようだ。
全く心当たりがない。
「いえ…。すみません。」
僕は素直に謝った。
それにしても、
2人、いや3人とも、
とてつもない美形だ。
「む、むさ苦しい風貌で、
申し訳ないのぅ。」
お祖父様がそう呟くと、
「いいえ、むさ苦しいなんて
とんでもございません。」
なんて向こうの両親は、
笑って返した。

