あれは、 今みたいな夏の日で、 あ、そうだ。 5歳くらいだったかな。 うちの家に誰かが連れてきたんだ。 僕は、 日野原家のしきたりで、 6歳までは、女の子の格好を させられてたんだ。 女の子の着物を着て、 髪は長かった。 僕は僕で、 違和感もなくって。 むしろ要くんの格好が 不自然なくらいだった。 保育所にも行ったことがなかったし、 言わば初めて同年代の子と あったんだ。 「こんにちは。」 僕がそう挨拶しても、 顔を真っ赤にするだけで、 もじもじしていた。