「要くん…じゃなかった。
君島堀さん、奇遇ですね。」

ある経営者のパーティで、
要くんと鉢合わせた。

「やぁ、日野原さんの
ご活躍は、耳に入ってきてますよ。


…ぷっ。なんてな。

昨日ぶりだしな。」

要くんは、笑って、
返してくれた。

要くんも、
正式に後継者として、
事業の手伝いに入った。

大学は、
ともに、問題なく卒業するだろうし、
もう、今からは、
会社にいることが多くなるだろう。


昨日もシュウくんの家で、
3人でご飯を食べて、
話をしたが、
卒業後は、こんなことも
少なくなるだろうな、と
話していた。

シュウくんは、医学部に、進学が決まり、
入学までは、暇だけど、
流石に医学部を勉強なしには、
こなせないだろうと言っていた。

「シュウくんは、
来週から、アフリカだって、
さっき電話があったよ。
その前に岩ちゃんとこに、
スルメイカの一夜干しを届けるらしいよ。

もう、今頃、飛行機に乗ってる。」

僕は、言った。

「岩ちゃん、長崎行ってから、
日本の海の幸に目覚めちゃったもんな。

あの世界の王子様が、
スルメ好きとは、
みんな考えないだろうな。」

要くんは、想像して笑った。


「岩ちゃんも理太ちゃんも
変わったよな。」

要くんは、加えて言った。


「要くんもだよ。」


僕は返した。



「そうか。
だったら、全部、理太ちゃんのおかげだよ。」


要くんは、話した。