メガネ殿とお嫁さま



「オシャレは、
我慢だけど、
恋はわがままなんだよ。」

私は、桜子ちゃんに、
シックなワンピースを着せた。

表は、無地の黒色のワンピース。
後ろは、ボタンが連なってて、
首元に猫ちゃんがつけるような、
ベビーピンクのリボンがついている。

白い襟は、首元までかっちりしている。

そこが逆に色っぽい。

キュッと絞ったウェストに対して、
ふわっと広がるスカート。

「男の子はね。
わがままを言われると
困った顔をするんだ。

でもね、本当はすごく嬉しいの。」

「ほ、本当に?」

私は、
桜子ちゃんの髪をくるっと巻いて、
内側に入れ込んだ。

少しだけアシンメトリーにして止めて、
淡いピンクのカチューシャをつけた。

「本当だよ。

女の子はね。
わがままじゃないと
いけないんだよ。」


それから、
淡いシャイニングピンクの
口紅と、
チークを施した。


「デートしたかったんだよね。」


私がそう言うと、
鏡の中の彼女が、
泣きそうな顔をして頷いた。