「私、 自分がうまくいかないからって、 りっくんに八つ当たりした。 りっくん、聞いたよね。 もう彼女は自分を諦めたのかって。 違うんだよ。 諦められるわけないんだよ。 彼女は、りっくんのことを 好きで好きでたまらなくって、 私が泣いてるみたいに 絶対泣いてるよ!」 詩子さんがぼろぼろ泣く姿が 桜子さんに一瞬見えた。 「走れ!理太あああ!!」 詩子さんの声に僕は、 思わず走り出したのだ。