メガネ殿とお嫁さま



「だけど、好きな女を
家に縛り付けるなんて
最低の男がすることだ。

俺は翠を殺しかねないと
いつも思ってるよ。」

シュウくんは、
もう自分の話をしてるのか、
僕の話をしているのか、
訳がわからない。

だけど、分かるのは、
桜子さんは、
僕と結婚しても
絶対に幸せになれないということだけ。


「いいか。

ご令嬢、ご子息っていうのは、
職業だ。ビジネスだ。

まだご子息は、
職種があるが、

ご令嬢は、一生ご令嬢という
職業なんだ。

翠がいくら儲けたって、
社会的地位を築いたって、
ご令嬢というビジネス価値は消えない。

今なら間に合う。
好きな者同士が
結婚して、いいことはない。


誰でもいい、くらいじゃなきゃ、
駄目なんだよ。

ビジネスで割り切れる相手じゃなきゃ、
結婚なんて出来ない。」