メガネ殿とお嫁さま



…。


もう、何も驚かない。
と思ってたのに。


「桜子さん、お話があります。」

「…はい。」

僕は、
僕のプライベートルームに
彼女を連れて行った。

要くんが
「まてよ!」と
僕の腕を掴んだ。

しかし、
自分でも驚くほど
静かで低い声で、

「黙ってろ。」

と要くんに言い、
扉を閉めた。


彼らがその何百倍も
驚いたことは、
容易に予想できた。


生まれて初めて、
要くんに命令したのだから。