離れには、
相変わらず、
嫁入り道具が、
でん!と鎮座していた。

うっぷ。

また酔いそうだ。

それに、初夜を共にした僕らを
別々の部屋で
寝させようなんて思う人間は、
この家には残念ながらいない。

「あ、明日には、
箪笥も鏡台も
実家に送り返しますから。
毎日洋服を着るようにもします。」
と桜子さんは、
僕の顔色を伺った。

「別に、いい。
僕も和服や和ものが嫌いな訳じゃない。
それより、きちんと話をしよう。」

僕は、畳の上に正座をした。

慌てて、
彼女は、僕の正面に座った。