それから、
昼すぎに家に着くと、

お祖父様とカヨさんが、
手を叩いて
僕らを出迎えた。

そのまま、
食堂に向かうと、
これでもかと
赤飯が盛られていた。


「…お祖父様、
勘違いなさっています。」


そう言っても
誰の耳にも届かない。


上機嫌のお祖父様は、

「お前には恐れ入った。
さすが、日野原家の嫡男じゃ。」

と頷くだけだった。