俺がアイツに惚れた理由



「行こーぜ、あっちに。」


ソイツの友人らしい奴が俺には目もくれず、ソイツを引っ張る。



「…っ、うん。」と、腕を引っ張られるソイツ。

なんかイラつく。


「恭介ーっ!ねぇ、莉愛の話聞いてぇ??」


ふわふわと飛ぶように来る、莉愛。

莉愛は俺にすごくアピールばかりしてくる。
女子力高いところ、とか、優しい一面とか。
でも、それは全部仮面。


裏番長の莉愛だ。
そんなゆるふわ女子であるはずがない。


俺が、見抜いてる莉愛の本性は、残酷で腹黒い性格をしている。
だが、女子の裏番長だから仕方なしに絡んでる。

ちなみに、女子の番長てゆか、リーダーは莉愛の親友、ジュリアだ。
イギリスとアメリカのハーフらしく、
純粋な金髪に
綺麗な瞳、
輪郭も外人らしく、
整って透き通る白い肌。


the ドール。


日本語がペラペラで、かなりのモテよう。
読者モデルとして活躍し、かなりの人気モノ。


俺は、ジュリアに一目惚れしそうだった。
でも、わかってる。

俺なんかと恋はしてはいけない、性格が悪いしな。
ジュリアは、純粋な不良。

ドス黒いが、評判はよく、テキなんていない。
もちろんのこと、美人すぎてだ。




「恭介ぇ?聞いてるぅ?」


あ、そだ、莉愛のこと忘れてた。
そう比べれば莉愛なんてジュリアには叶わん。
莉愛もかなりの美人なんだが。


「おー、聞いてるぜ」

「嘘っ、ボケーってしてたもん!」

「あはは…、ごめんなって」

「…むぅ。」

ポンと、莉愛の頭を叩く。
ツヤツヤな髪。
どうやったらこんな綺麗な髪になるのか不思議なくらいツヤと潤いがある。



「で、なんだ?」

「えっ、またはじめからかいっ!
えーと、ジュリアと一緒にね、今日買い物行くの!
恭介も一緒にどお?」


ジュリア…か、
あんな美女と俺たちが歩いていいのか?



「てゆーか、ジュリアがいいわけ?俺、あんま話したことねーけど。」

「恭介なら、ジュリアいいって!」


え、まじかよ。


「ふーん…じゃあ、行く。」


「やった!よし、行こ!」


「は?」


「ん??」と、首を傾げた莉愛に俺も傾げて


「え、今か…「あたりまえじゃんっ!さあ、行くよ」


yes、noも聞かず、俺は連れてかれた。


んだよ、ダリイな。


校門で、莉愛と2人立っていると、向こうからジュリアがやってきた。



「あっ、きたきた!」

「ごめんね、遅くなって。」と、一礼するジュリア。

ジュリアが泣き顔で俺を見る。

「…っ!」


マジかよ、やめろ。
反則、反則、反則、反則、反則、反則!!!!!!!!!!



やべー、美人すぎ。
ビビるわ。



「お、おう。買い物行く、ってどこに?」

「うーん、莉愛、プリとりたいなぁー!」と、莉愛。

「いいねっ、そこ行こ!」と、ジュリア。

またもや俺のはい、いいえを聞かず連れてかれた。


近くのゲームセンターに入ると。やはり、視線が。
男性らの視線はすべてが、ジュリア。
俺や莉愛なんて見向きも…


されていた。



「美男美女だっ、やばあ!」

「うわっ、イケメン。」

「あのひと、キレイ!」

「3人顔綺麗。」


あっという間に俺たちの話題になるヤツラに見向きもせず、プリ機直行。


てか俺、イケメン?!
ありがとうございます、とかいってみたりな。



「はい、チーズ☆カシャッ」

「次は抱きついてー☆はい、チーズ☆カシャ」

「虫歯ポーズして盛っちゃお!はい、チーズ☆カシャ」



俺らは、プリ機に言われた通りに撮った。
落書きはナシで、印刷。

山分けして改めて俺をみたら

「ぷっ、女々しいw」

「恭介くん、女の子みたぁい!」

と、フタリに笑われた。

ほんと、プリ機は怖えぇ!


「にしても、ジュリアと莉愛可愛すぎねぇ?プリ機だからとかじゃなくて、マジ。」


「えっ、ジュリアならわかるけど私はないない!」

「えぇ、莉愛が可愛い!」


…あ、やってしまった。
言わなければよかった。

これから、何分間がこのふたりだけの褒め合いが始まったのだった。



「……なあ、かえろーぜ」