それなのに記憶にはちゃんと残ってる。
でも、なんで、中島くんがやまとくんだって……気づけなかったんだろう。
正直、悔しい。
「はい」
その声とともに私の頬には、温もりが。
「い、いいの?」
大和くんがホットココアを買ってきてくれた。
そっか…だから走って行ったんだ。
「いーよ。風邪引いたら困る」
「ありがと…」
こんな優しさ、変わってないのに。
どうして、どうして…
「ちゃんと大和くんなのに……」
「どした………って、お前、泣いてる?」
あれ、なんで泣いてるんだろう?
なんで涙が止まらないの?
「なんでっ…私、ちゃんと幼稚園の頃のこと覚えてるのに…どうして中島くんがやまとくんだってわかんなかったの…」
意味わからない。
泣くなよ、自分。
またバカだって言われるじゃん。
意地悪言われるじゃん。
スカートに涙の雫がポタポタ零れ落ちる。

