意地悪なきみの隣。




目を見開いて大きな声で言う。


中島くんが何よ〜。


そんなことをのん気に考えていた私は、お母さんの言葉を聞いて



思わず家を飛び出した。


外はすでに暗くて、帰り道よりも何倍も寒くて。


耳と鼻はきっと真っ赤。


急いでもう一度着た制服は、スカートがすれて冷たい足には痛い。


それでも私は走る。



『そう!その子ね……尾原大和くんよ』



『………え?お母さん、何言ってるの?』



『不思議だったのよ〜。中島大和って名前どこかで聞いたことあるような気がして。


だからアルバムを見たりしてみたんだけど…うまく思い出せなくてね。

でも、思い出したのよ〜。大和くんの親離婚しちゃったらしいって。それで名字が変わって中島大和になったって話』



『う…うそだ…』



『もう、郁ったら、ちゃんと見たの?カバンについてる帽子』



『…帽子?』



『思い出してから、郁がカバンにつけてある中島大和くんにもらったっていう帽子見てみたの。
特に意味もなく見ただけだったけどね?

そしたら書いてたのよ〜。ちゃんとね』