モヤモヤモヤモヤしながら、帰り道を歩いて家に着いた頃には疲れ果てていた。
放課後はいつものようにそそくさと教室を出て行った中島くん。
前なら一言『バイバイ』って、そう言ってくれてたのに。
変わっちゃったな。
「郁〜!そうそう、思い出したの」
夜ご飯の時間、もぐもぐと噛んでいるとお母さんが突然手を叩きながら言う。
その顔はとても嬉しそう。
「どうしたの?」
「郁、喜ぶんじゃないかな〜」
そう言われるとウズウズする。
お母さん、何を思い出したのかな?
「この前、体操服借りた男の子の名前もう一度言ってみて?」
この前?
って、体育会練習の時に中島くんに借りたことかな?
「中島大和くん……だよ」
バカにしてきたくせに、貸してくれて。
少し大きめの体操服は中島くんの匂いがしたんだ。
「そう!その子ね……」

