「ただいま〜」
「おかえり〜。遅かったじゃない」
リビングには夜ご飯の支度を終えて先に食べていたお母さん。
お父さんはまだ仕事から帰ってきていないみたい。
「テスト1週間前だから学校で教えてもらってたの」
「頑張ってるのね」
うん、と言ってリビングを出て部屋で部屋着に着替える。
ハンガーに制服をつるして、洗面所で手を洗う。
「いただきま〜す!」
勉強頑張ったからお腹はペコペコ!
お母さんの手料理を夢中で頬張る。
そんな私を見てあきれながらため息をついたお母さん。
「誰に教えてもらってるの〜?いい子ね、その子」
「クラスの男の子!なんかね〜、すっごい不思議な人なんだ」
「不思議?」
私の言葉に引っかかったみたいで、聞き返してきた。
うん、中島くんは不思議な人。
今までのことや今日のことを思い出しながらお母さんに話す。
「高校で出会ったのに、昔からとか小さい頃はとか言ってくるんだよ?知らないのに昔のことを知ってるみたいに言うんだ〜」
本当に何を考えてそう言ってるのかわからない。
今日だって、
『頑張れよ、郁ちゃん』
なんて言われたし。
うーん、と頭を悩ませながらお箸をすすめる。

