意地悪なきみの隣。




「そろそろ帰るか。1問しか解けてないけど。明日もやるかー」



ガタッと席を立ってうーんと伸びをする。


たった1問解くのに1時間もかかってしまった…。


時計を見ると6時を指していた。


私…そうとう危険だよね?
家に帰ったらちゃんと復習しよう!

そう決意して図書室を出た。



「じゃあまた明日な。頑張れよ」



またお家まで送ってもらった。

部活の後だから疲れてると思ってたくさん断ったんだけど…。



『うるせーチビ。黙っとけ』



なんて、ひどいことを言われちゃったもので…。

優しいんだか優しくないんだか…。



「今日はほんとうにありがとね!私頑張るよ!」



「明日とかもやるんだろ?今日できたとこ忘れんなよ?」



もちろん、と答えると、


じゃーな、と背中を向けて歩いて行った。


見えなくなるまでその背中を目で追う。


いつの間にか涼しくなっていて、気持ちい風がさあっと吹く。

おろしていた髪が揺れて、少しだけ残っているシャンプーの香りが漂った。