「………はないのかな」
「えっ……?なんすか、よく聞こえなかったっす」
周りのメンバーの楽しげな声にかき消された先輩の小さな声。
「……何もない」
そうニコッと笑うから、ただ頷くことしかできなかった。
「…ほら!午後練もうすぐ始まるよ。あんたらしいバスケしなよ!」
「ゴホッ……ゴホッ!いてえっす!」
背中を思いっきり叩かれ、思わず鼻から米粒が出そうになる。
時計を見ると昼休憩も後わずか。
最後の一口を放り込んで、ゴクンと飲み込む。
「うっしゃ!やるか」
左胸をドンドンっと拳で叩き気合いを入れた。
負けてらんねー。
バスケも郁ちゃんのことも。

