「そろそろ帰っかな〜」
明日も鬼練。
それは30日まで続く。
帰って飯食って風呂入って寝ないと明日もたない。
「ん〜そか、またゆっくり遊ぼうぜ」
「だな〜」
そう言ってカバンを持ち、紘樹の部屋を出る。
明日も鬼練かと思うとやるせないけど、強くなれんならって思うと楽しみだ。
「なあお前、気長に待ってるつもり?西野の返事」
座って靴紐を結ぶ俺の背中に紘樹が言う。
気長に…か。
「…さあ」
本当はすぐに返事がほしいけどNOを聞く準備はまだできてなくて。
YESの可能性もあるけどさ、郁ちゃんのことだし予想できない。
俺はYESがほしいけど、ちゃんとした答えがいい。
…とか考えてんだけどな。
「西野が悩んでる間に好きにさせちゃえばいいじゃん」
「……はっ、何だよそれ。お前らしい考えだな」
じゃーなと言って俺は紘樹の家を出た。
ヒュウッと冷たい風が吹く。
悩んでる間に好きにさせちゃえばいい…。
その言葉の意味を考えながら歩いた。

