紘樹の話聞いてたらすっかり忘れてたんだけど、いや、忘れてたわけじゃねえんだけど。
「どうだったんだよ」
「…返事は聞いてねえ」
「なんで?」
「…雰囲気にのまれてYesなんて言ってほしくなかったから」
ふうん、と短く返事をすると俺に缶ジュースを渡してきた。
「まあ飲めよ」
まるでその缶ジュースがビールのように。
はあ…。
それさっきコンビニで買ってきたジュースだろうが。
ありがたく頂くけど、別にお前の奢りではねえからな?
お前の隣のレジで会計したからな?
「今ごろパニクってんじゃねえの?」
ケタケタ笑い出す紘樹に思わずフッと笑ってしまう。
紘樹でもわかるくらいなんだなって思うと笑えてくる。
「だろうな。バカだし」
「つーか!やーっと伝えたのかよーって感じだよ。中学から散々西野の話聞かされてさ」
静かな空気を変えるように突然声を張って伸びをする。
あ〜…そっか。
こいつには中学から郁ちゃんの話してたっけ。

