うわあ……男の子たちが私をまじまじ見てる。


そりゃそうだよね…。


中島くんが話しかけてくる以外、男の子とほとんど話さない私が急に飛んできたんだもん。


恥ずかしいから早く用を済ませて消え去ろう。



「あの……体操服ありがと!すごく助かった!」



ペコっとお辞儀をしてぐいっと胸元に押し付ける。


おお、と言いながらそれを受け取った。


それで…それで…



「えっと、あ、あの、お礼…!お礼がしたいんだけど何がいいかな…?」



チラッと陽菜ちゃんを見てみると、なんだかニヤニヤしてる。


絶対私で遊んでる!

ひどいっ!




「別にそんなのいいけど」



…え。


予想外にも、そう言われた。

ただの迷惑だったんだ。


ど、ど、ど、どうしよう。



「あ〜…そっ、そっか!いらないよね!ごめんねっ!じゃあね!体操服ありがと!」



私の感謝の気持ちも無駄になって、この場にいるのが悲しくなってきた。

陽菜ちゃん…いらないんだって。





「お前さ〜バカなの?」



むなしくなって陽菜ちゃんのところに戻ろうと向きを変えると腕を掴まれた。


もちろん、中島くんに。



「…いらないなんて言ってないし。体操服貸しただけだから気にすんなってこと」



そ、そういうことだったんだ…。


てっきり、迷惑だから言われたのかと勘違いしてた。