「何がいいかなあ?」
『ん〜別に付き合ってるわけじゃないしそんなガッツリしたものじゃない方がいいかもね!あ、手作りのお菓子とかいいじゃん』
手作り、かぁ…。
「それにする!ねえ、陽菜ちゃんは何をあげるの?」
『私はやっぱり無難にマフラーかな。持ってないみたいだし』
「そっかあ!喜んでくれるといいね!」
少し楽しそうに話すから私も楽しくなる。
やっぱりプレゼントは喜んでもらいたい。
私だってそうだもん。
『うん、じゃあお互い楽しもうね。また話聞かせてね。じゃあね!』
バイバイ、と電話を切ったら私のやることは一つ。
ドタドタと音を立てながら部屋からリビングへ行く。
「よしっ!作るぞ!」
袖をまくって髪を一つにまとめる。
さあ、明日のお菓子を作るぞ!
「……って、何を作ればいいんだ〜?」
何も考えずにキッチンに来ちゃったけど、何にしよう…。
まず材料があるかもわかんないし…。
クッキーは王道すぎる?
ブラウニー?
何だろう?
「郁〜、8時すぎてるのに今から何しようとしてるの?」
お風呂から上がったお母さんがタオルで頭を拭きながら聞いてくる。
私は腕を組みながら首をかしげてしばらく目の前にある卵とにらめっこ。
「明日のクリスマス何作ればいいかな?」
「……え、もしかして彼氏さん?」
しばらく間をあけて言うお母さんを見ると、頭を拭く手はピタッと止まっていて、目をまあるく開いていた。

